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広告クリエイティブを生成AIで作る際の注意点

生成AIは広告制作の効率化を実現する有用な技術ですが、著作物や知的財産権を侵害するリスクが存在します。広告運用担当者が押さえるべき法的リスクと対策の参考にしていただければ幸いです。

【目次】

1,生成AIの利用者が負う著作権法上の責任

2,生成物の利用時に確認すべき法的要件

3,学習データ段階での著作権リスク

4,広告運用での実装上の留意点

5,まとめ

生成AIの利用者が負う著作権法上の責任

生成AIで作成したクリエイティブが他社の著作物を侵害する場合、法律上の責任は物理的にAIを操作した利用者が負います。これは広告主や広告代理店の制作担当者を指します。

一定の場合には、生成AIの提供企業やサービス企業も責任を問われることがあります。具体的には、当該AIが侵害物を高頻度で生成することを認識しながら対策を講じていない場合です。

生成物の利用時に確認すべき法的要件

広告として生成物を配信する前に、以下の2つの観点から法的リスクを評価する必要があります。

①情報解析の目的の確認
生成AIに既存の著作物を入力する際、その目的が「情報解析」であるかが重要です。著作権法第30条の4では、学習目的の複製が一定条件下で認められていますが、「入力した著作物と類似する生成物を生成させる」という目的での入力は該当しません。この場合は権利者の許諾が必要になります。

②私的使用か商用利用かの区別
生成物の生成自体は、個人が私的使用目的で行う場合や企業内部での検討過程での使用であれば、特定の条件下では著作権侵害にならない可能性があります。しかし、広告として配信する場合は商用利用であり、この段階では権利制限規定が適用されにくくなります。つまり生成は適法でも、利用段階で違法になる可能性があるということです。

学習データ段階での著作権リスク

生成AIの学習段階でも著作権侵害が生じうることを理解する必要があります。

・有償提供されているデータセット
AI学習用として有償で販売されているデータベース著作物を、許諾なく学習データとして利用することは著作権侵害です。

・技術的措置の無視
ウェブサイトの「robots.txt」ファイルやID・パスワード制限によるAI学習データ収集の制限が施されている場合、これを回避してデータを収集することも侵害になります。

・海賊版からの収集
権利侵害で違法にアップロードされたデータを学習データとして使用することは、海賊版による権利侵害を助長する行為として厳に避けるべきです。

広告運用での実装上の留意点

・生成指示の設定方法
著作物の題号やキャラクター名、特定企業名を指示文(プロンプト)に含めると、依拠性が認められやすくなります。これらの固有名詞の入力は、利用者が既存著作物を認識していたことの傍証となるためです。

・生成過程の記録
使用したプロンプトや生成までのプロセスを記録・保管しておくことが重要です。万が一権利侵害を指摘された際、依拠性がないことを説明する際の根拠になります。また、生成物が「著作物」に該当するかの判断も、生成時のAI利用者の創作意図や創作的寄与の程度で決まるため、プロセス記録は重要です。

・提供企業の情報確認
利用する生成AIサービスについて、学習済みモデルがどのようなデータセットを学習しているか、著作権侵害防止のどのような措置が取られているかを事前に確認しておくことが望まれます。

まとめ

生成AIを広告制作に活用する場合、生成段階と利用段階では著作権侵害の判断が異なることを理解する必要があります。固有名詞の避用、生成過程の記録、提供企業情報の確認、そして利用規約の確認を習慣化することで、法的リスクを大幅に低減できます。組織内での指針整備と法務部との協力体制の構築が、安全かつ効率的なAI活用の基盤となります。

参考

文化庁著作権課「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(令和6年7月31日)

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/seisaku/r06_02/pdf/94089701_05.pdf

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